「文理接合」班

統括班からの期待

  • 地域研究には人文社会科学系の地域研究と自然科学系の地域研究があります。これまで互いにあまり接点を持たず、それぞれ進められてきました。文理融合の必要が唱えられていますが、文科と理科が具体的にどう融合できるかについての明確な了解はありません。この研究班では、一足飛びに文理の融合を求めるのではなく、文科と理科がどのように接合し得るかを検討します。
  • 地域研究とは、いずれの学問分野でも、既存の方法では現実世界が十分に掴みきれないという認識から既存の学問分野の方法を改良・改造しようとする試みとしての側面をもっています。では、自然科学系の地域研究は、自然科学系の既存の学問的ディシプリンのどの部分をどのように改良・改造しようとして地域研究の道を求めたのか。この点を考えることで、自然科学の学問体系における自然科学系地域研究の位置づけが明らかになります。
  • その上で、自然科学系地域研究の知見を人文社会科学系地域研究と接合するためにどのような仕組みがあり得るかを考えます。 さらに、地域研究を通じた文理接合の試みを通じて、これまで文科と理科を互いに大きく異なるものとして捉えていた次のような見方の再検討にもつながります。
  • 一般に、自然科学は科学的再現性や反証可能性を重んじる点で人文社会科学と異なると見られています。しかし、現実世界が抱える諸問題への取り組みを意識すれば、自然科学であろうとも、方法上の厳密さの追究自体を優先するのではない態度があり得るはずです。このことが自然科学系の研究者から積極的に示され、これによって自然科学と人文社会科学の差異を過度に強調する見方が批判的に再検討される契機となることが期待されます。

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