作品紹介・短報


混成アジア映画研究会のメンバーによる作品紹介・レビューや短報・エッセイを掲載します。個別の記事はいま語りたい映画作品紹介・レビュー短報・エッセイのページをご覧いただくことにして、ここでは作品紹介・レビューを書くときに考えていることをいくつか書いてみたいと思います。

日本や一部の国ではDVDの購入・レンタルや動画配信によって映画を観る機会が増えていますが、そのようにして観ることができる映画は実際に製作されている作品のほんの一部です。「アジア映画」は毎年たくさん作られていますが、そのほとんどは私たち観客にとって一期一会の存在です。そのため、劇場公開や上映会などの機会があればできる限り映画を観たいと思いますし、観る以上は何らかの形で記録に残しておきたいと思っています。

劇場で映画を観るときには、手にメモ帳とペンを持って、気になることがあればメモします。上映中の映画を録画・録音するのは違法行為ですが、メモをとることは、まわりの観客に迷惑をかけない限り問題ありません。慣れないうちに困るのは、手元を見ずに急いで書くために書きなぐりに近くなって後で読みにくいことに加え、文字と文字が重なると判読がかなり難しくなることです。手元を見ずにメモをとっても書いた文字が重ならないように気をつけます。

メモを取るのは、人名や地名などの固有名詞、年月日や時刻などの時間、スクリーンに映りこむ文字や数字、劇中で挿入される歌や詩などの引用などです。挿入歌はエンドロールに記載されていることもありますが、登場人物が鼻歌で歌っているような歌はエンドロールに記載されないこともあります。歌詞を部分的にでもメモしておくと、歌詞を検索することでそれが何の歌かわかる場合があります。

作品紹介やレビューを書くときにいつも気になるのは、いわゆる「ネタばれ」をどうするかということです。「ネタばれ」なしで作品の紹介が十分にできればよいのですが、作品のよさを紹介するためには結末まで紹介した方がよいということもあります。もし日本各地の劇場で公開されることがほぼ確実ということであれば、なるべく「ネタばれ」をしないように心がけます。しかし、残念ながらアジア映画が日本で一般公開される機会はまだまだ少なく、日本の観客が観る機会がないままになってしまうものも少なくありません。そうであれば、作品の魅力を台無しにするようなやり方でない限り、「ネタバレ」してでもその作品の魅力を最大限に紹介した方がよいのではないかと思います。

(このページは折にふれて加筆修正します。)